梅の開花時期も終わりのようだ。
このところ3ヶ所のプチ梅林に行ってみた。いずれも公園の一角に梅の木をまとめて植えてある場所だ。
が、開花した梅の木の景観は個人的にはどこもぱっとしない。ロングで梅林を撮っても、梅は桜に比べて花力が弱いというか、満開性が低いというか、不完全燃焼の焚き火のように見栄えのしない画像になってしまう。
公園の梅の木の1本1本には木札が掛けられ、梅の品種が書き込まれている。正確に確認したわけではないが、全部名前が違うようだ。それもそのはず、梅には花梅と実梅があって、花梅はなんと300品種、実梅でも100品種あるそうだ。私には白い梅、ピンクの梅、赤い梅、それに枝が柳のようにしだれた梅の4種類だけにしか見えないのだが。
梅は開花時期が1ヶ月半から2ヶ月の長期におよび、品種もバラバラということになれば、梅林としての満開性が低くなるのも無理はない。梅とはバラバラの開花状態こそを1本1本愛でる木なのだろう。きっと。
それでも花の写真集をめくってみると、開花した梅林をみごとに捉えた写真がみつかる。地面に当たる光の具合、梅林の背景とそのコントラストなど、メインの梅の花を最高度に生かす配慮がなされていることがわかる。朝霧のかかった梅の木々を幻想的に捉えた写真などもいいものだ。
梅林の場合、私のようにノープランでいくらシャッターを切っても無駄なのだ。気の抜けたビールのような味気ない画像が残るだけ。
逆に、マクロ的に寄って梅の花だけを写せば、梅の独特の枝ぶり、桜とは異なる花の付き方、花とつぼみの絶妙の間とバランスなどにより、中世のワビ・サビを思わせるような日本的な情緒や風情をかもしだす画像が私にでも撮れることがある。いっぽう、桜のマクロ撮影はつまらないし、うんざりするものだ。
私の撮影レベルでは引きの桜、寄りの梅、というところだろうか。