県鳥にも指定されているカモメは港でも他の海辺でもよく見かける。
ところが、非常にわかりにくいのだが、総称としてのカモメと、種としてのカモメがあるのだ。誰もがカモメだと思っているウミネコは総称としてのカモメ科ではあっても、種としてのカモメではない。わかりにくい。
ウミネコ |
ウミネコとカモメは非常によく似ている。くちばしで区別するしかない。カモメのくちばしは全体が黄色。対するウミネコもくちばしは黄色だが、その先端だけが黒で、赤い斑点が入っている。実は私の町には種としてのカモメはほとんどいないらしいのだ。私はカモメはほとんど撮らないので画像も少ないが、チェックしてもカモメの画像は1枚も見つからなかった。全部ウミネコだった。われらが県鳥は実は稀少な鳥なのだった。
ユリカモメ |
町にはカモメ科の鳥がもう一種いる。ユリカモメだ。こちらはカモメーウミネコと属が異なるらしく、見た目がかなり違う。くちばしと足が黄色ではなく、朱色に近い赤みがかった色で、目の後ろに黒い影のような模様がある。暖かくなるともっと違いが顕著になり、こげ茶色のお面をかぶったような滑稽な顔になる。
夏にはユリカモメはこんな黒い顔に |
というわけで私の町のカモメの実態はほぼウミネコとユリカモメである。他にセグロカモメなどもいるらしいが私にはうまく区別できない。
このウミネコとユリカモメ、外見だけでなく、好感度でも判別できる。ユリカモメのほうが断然好感度が高いのだ。その理由は目つきだ。ウミネコは非常に目つきが悪く、ユリカモメは温和である。
目つきが悪いウミネコ |
ウミネコは虹彩が明るい黄色で、その中央に斑点のように瞳孔が見える。メジロもそうだが、このタイプの目は陰険で、悪辣なイメージに見えるのだ。対するユリカモメは目全体が黒目のようで可憐かつ温和なイメージに映る。人間の場合は虹彩の色はメラニン色素の量で決まると習ったような気がするが、鳥もそうだろうか。
そのように好感度の高いユリカモメの意外な姿を目撃してドキッとしたことがある。
干潟に現れた大きな魚を一心不乱に食べていたのだ。鳥は見かけにはよらないのだ。こちらを向くと口の周りに血がベットリ。まるでもののけ姫みたいだった。
もののけ鴎 |
うーん、やはりユリカモメの目は黒目ばかりではっきりしない。虹彩や瞳孔の具合がどうなっているのか知りたくなった。ユリカモメの画像をトリミングし、露出、ハイライト、シャドーなどをいじって虹彩と瞳孔が見えるようにしてみた。目のほぼ全部が濃いこげ茶色の虹彩らしいのがわかる。太陽光が当たっている画像なのだが、瞳孔もかなり大きいようだ。そういうわけなのだった。